≪第2特集≫
   「ジンバルプレート式雲台」について

 ============ by デジ公望さん

おもちゃのヤジロベェを思い出してください。雲台の上に取り付けたデジスコシステムは、じつは逆ヤジロベェなんです。三脚を手に持って、全体を逆さにしてみてください。足を天に向けて、スコープを逆さに宙吊りします。そうすると、これは立派なヤジロベェです。どのようにティルトしても水平に戻ろうとします。理想的なデジスコシステムは、このどちらでもよくないのです。いわば、その境目、ゼロ・ヤジロベェとでもいいましょうか、が理想なんです。



それを簡単に実現したものが、この"ジンバル・プレート"です。どなたでも、DIYで自作できます。ただ、お使いのスコープ、デジカメ、ビデオ雲台、その他の付属装置がなんであるかによって、完全なバランスのポジション(前後、上下に)が変わりますので、個々に試行錯誤するほかありません。でも、そんなに精度を要求しません。その効果は絶大ですよ、だってベテラン・バーダーのりょこさんが証明しているではありませんか。

注)私はベテラン・バーダーではありません(^^;(BY りょこ)

 なお、使用インプレッシヨン、その他について、デジスコ バーダー『りょこ』さんのウェッブ・ページ
 http://ryoko-isokawa.hp.infoseek.co.jp/ji.htm を参照してください。

「ジンバルプレート」力学的考察

 雲台の直上にスコープシステムを載せる一般的なやり方について、力学的考察をしてみます。



いま、水平にバランスしているスコープシステムを、角度 θ 分ティルトしたときを考えます。ティルト軸まわりに回転する総質量(スコープシステムと雲台の一部、パン棒を含む)を m とし、そのシステム重心のティルト軸からの垂直距離を r 、重力加速度を gとすると、
 M・g・r・sinθ 
なる回転モーメントが重心の回転円の接線方向に発生します。そして、これは θ が90度のとき、すなわちスコープが天を向いたとき最大になります。これが、デジスコ撮影の障害になります。
 これを無くする方法は二つあり、ひとつは、別途、質量 n 、垂直距離 −s から成る
 −n・g・s・sinθ を設定して、
 M・g・r・sinθ−n・g・s・sinθ=0 
として打ち消すことです。具体的には、ティルト軸より下方に重心がくるようなカウンターウェイトを併設することを意味します。これについては実施例をあとで述べます。もうひとつは、端的に r をゼロにすることで角度依存はなくなります。これを簡便なやり方で実現したものが、私が「ジンンバルプレート」と名付けた支持板で、スコープシステムを雲台横に吊り下げる方法です。写真をご覧になれば、そのしくみは一目瞭然です。雲台は Manfrotto 700RC2 です。

(写真a)
(写真b)

さて、カウンターウェイトについてですが、それに実用性を付与しないと、いたずらに全体として重厚長大なものになってしまいます。ひとつの実施例を示します。

(写真c)

この場合、スコープシステムの重心がすでにティルト軸よりやや下方にありますので、
 −m・g・r・sinθ + n・g・s・sinθ = 0 
と表現できます。これによって、この組み合わせの場合、焦点距離が50mmから6000mmに及ぶジンバル機能付かつ粘性制動(Gitzo G2380)の撮影システムが出来上がったことになります。これは、こういうニーズが実際にあってつくったわけではなく、あくまで、ジンバル機能コンセプトの一検証例にすぎませんが、そういう撮影意図があれば、じゅうぶん実用に供し得るものと思います。またこの場合、一眼レフの光学ビューファインダーは、電源不要の、ズーム可能な高精度の照準器として使えます。