≪野鳥観察情報≫
   鳥観察・探鳥の極意
 ======== by 吉成 才丈さん

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第102回

  千島列島クルーズに行ってきました
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本当に、すごかったです!

10泊11日で小型調査船に乗り、千島列島を巡ってきました。実は、千島列島を船で巡るのは2回目なのですが、前回(1998年)は大型客船で通過するだけでした。ところが今回は、小型船で海鳥や海獣などを見る“千島列島アドベンチャークルーズ”だったのです。きっと船に弱い方は、「小型船など、とんでもない…」と思うことでしょう。たしかに参加者11名中、まったく船酔いしなかったのは私だけだったかもしれませんが、それでも3日目には、全員が普通に食事できるようになりました。現代人はひ弱な生き物だと思ってましたが、逃げ場のない(船を降りられない)ときの適応能力は、捨てたものではありませんね。 小型調査船“Afina”は、7/21にペトロハブロフスクカムチャツキーを出てウルップ島まで南下し、8/1に同港に戻りました。ウルップ島は北方四島のすぐ北側に位置しますから、今回の観察エリアはおおまかに、北方四島の北からカムチャツカ半島南部(太平洋側)と思って頂ければよいと思います。


<生息種の概要>
軍港でもあるペトロハブロフスクカムチャツキーのアバチャ湾では、出航時からエトピリカやチシマウガラス、ウミガラス類などが観察されました。太平洋に出るとシロハラトウゾクカモメ、クロトウゾクカモメ、フルマカモメなども出だし、エトピリカについては、どこにでもいると言っていいほどたくさん観察されました。チシマウガラスやハシブトウミガラスについても同様で、少し島に近づくと、どこでも普通に繁殖している様子が確認されました。また、ウミバトもほぼ全域で確認されましたが、南域の個体群ほど翼の白斑が小さい(または全くない)個体が多く、北の個体群ほど白斑が大きい個体が多いことがわかりました。ツノメドリは各地で少数が確認され、ハイイロウミツバメは千島列島周辺でよく観察されました。
いくつかの島には上陸もして、陸鳥も少し確認しました。草地があるところではシマセンニュウ、疎林ではオオムシクイが数島でさえずっていました。訪問が7月下旬と遅かったため他の鳥の声は少なく、アカハラやギンザンマシコ、ノゴマ、ホシガラス、ケアシノスリ、ハヤブサ、オジロワシなどは目視で確認しました。


<特徴的な種>
ウミオウムがライコケ島で、シラヒゲウミスズメがヤムキチャ島(ウシシル島)で繁殖していることが確認されました。またヤムキチャ島では、エトロフウミスズメが夕方に帰島する様子が観察されましたが、その数はなんと100万羽を超えるほどで、数百から数千の群れが途切れることなく続く様子には圧倒されました。


以上、結果の概要を紹介しましたが、とても詳細はお伝えしきれません。そこで12月2日(日)に、今年のアリューシャンクルーズの結果や北海道の海鳥の状況報告なども含めた海鳥主体の交流会(うみどりまつり)を行うことにしました。海鳥のオーソリティも登場しますので、どうぞお出かけください。来年の千島列島クルーズについても、ご案内できると思います。詳しくは、ホビーズワールドまでお問い合わせください。


ホビーズワールド
吉成 才丈