≪野鳥観察情報≫
   鳥観察・探鳥の極意
 ======== by 吉成 才丈さん

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第103回

  冬の九州でバードソン?
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バードソンのように確認種数を競っていた訳ではありませんが、つい先日でかけた九州5日間の鳥見ツアーでの観察種が130種を超えました。これには同行した鳥仲間も驚きましたが、カモ類などの個体数の多さは関東の比ではなく、探鳥地としての冬の九州の魅力を再認識させられました。まだ今期の探鳥も間に合うでしょうから、簡単に行程や状況を紹介します。


〈行程〉
(1)羽田空港→福岡空港→東よか干潟 (佐賀泊)
(2)東よか干潟→諫早干拓 (諫早泊)
(3)諫早干拓→島原港→(フェリー)→熊本港→球磨川河口→出水 (出水泊)
(4)出水周辺 (出水泊)
(5)出水→川内→国分干拓→鹿児島空港→羽田空港


東よか(与賀)干潟は有明湾に面した干潟で、佐賀空港のすぐ北西側に接しています。南に開ける有明湾の最奥部(最北)に位置するといえば分かりやすいと思いますが、干潮時には広大な干潟が広がり、平成27年にはラムサール条約湿地に指定されたほど、現在でも多数の水鳥が観察されています。環境省のモニタリング調査において、日本で一番たくさんのシギ・チドリ類が確認されているといえば、その重要性もお分かりいただけることでしょう。ここでは多数のハマシギをはじめ、ダイシャクシギやツルシギ、オオハシシギ、エリマキシギなども観察されました。広大な干潟に点在するツクシガモを見渡すだけで、初めての方は必ず驚くと思います。ちなみに、干潟は予想以上に広いので、鳥を近くで見るには、満潮時前後に訪ねる必要があります。

次に諫早の干拓地では、ナベコウやオオカラモズ、ハイイロチュウヒ、ツメナガセキレイなどが観察されました。干拓地は耕作地や水路、ヨシ原などの環境があって鳥の種類も個体数も多いので、農作業のじゃまにならないように注意して、じっくりと観察するとよいでしょう。

九州の航路探鳥はあまり体験していませんが、作シーズンに続いて島原〜熊本間のフェリーに乗ってみました。たった60分の短い航路ですが、昨シーズンと同様にカツオドリが多数出現し、熊本港の堤防には100羽以上のカツオドリがとまっている様子も観察できました。カツオドリは球磨川河口でも陸地から十数羽を確認しましたが、寒さで震えながら見るカツオドリなど、ちょっと想像できませんよね。

出水のメインはツルですが、カナダヅルやクロヅルも順調に見られたため、今回は山の方にも行ってみました。関東ではヤマセミを見るのは大変ですが、このあたりの清流ではヤマセミも比較的容易に観察でき、クマタカと共にバッチリ観察できました。

また干拓地に戻ってカナダヅルを観察していたら、首をかしげて上空を注視しはじめました。タカでも飛んでいるのかと思って上空を見上げると、100m以上の高空をコミミズクが旋回していました。出水駅近くの河川ではツリスガラも観察されましたし、干拓地にはムネアカタヒバリもいたようです。

最後に訪ねた国分干拓ではツバメが普通に飛んでおり、九州南部に来た実感がもてました。また、ナビに目的地を入れ違えたおかげでベニバトのメスまで見られてしまい、終わってみれば、5日間で133種もの鳥たちに出会えました。1度の鳥見行で100種を超えることはありますが、133種は個人的にも新記録です。種数や珍鳥だけでなく、至る所にあふれるカモ類などは見ごたえ満点です。魅力満点の冬の九州に、どうぞ、お出かけになってみて下さい。


ホビーズワールド
吉成 才丈