≪野鳥観察情報≫
   鳥観察・探鳥の極意
 ======== by 吉成 才丈さん

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  第6回 この冬は、カモやカモメにチャレンジしましょう
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〈図鑑にないカモを発見?〉
Hobby's Worldからも近い上野不忍池にもカモ類が増えてきました。マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロなど、いずれも近距離で見られるのがありがたいですね。
しかしよく見ると、図鑑に載っていない個体がいくつも見つかります。「マガモのようだが模様が中途半端、オナガガモのように尾が長いが、見たことのない模様…」と首をひねる若葉マークのバードウォッチャーもいることでしょう。正直に言えば、私自身もそうでした。答えを聞けばすぐに納得できるのですが、これは換羽(羽が生え替わる)途中にある個体である場合が多いようです。

〈換羽〉
カモ類は繁殖期を過ぎると、派手な色合いのオスはメスのような地味な模様に変わる種が多くみられます。こうした状態をエクリプス/イクリプス(eclipus)を呼び、一時的に飛べなくなるため地味な色合いになるとも言われてます。そういえば子供の頃、「ノストラダムスの大予言」という本を読みましたが、その中の予言詩にもエクリプスという言葉がでてきました。たしか天体関係の言葉で、光や天体を食する、包み込むといったような意味があり、それが誰かの地位の失墜とかを示唆しているといった内容だったような気がします。
話が逸れましたが、晩秋には換羽途中にある個体が観察されることがあるということです。また少し時間を遡れば、10月あたりの飛来当初には、メスの模様にそっくりなおオスの個体も観察することができます。一見メスそっくりなのですが、よく見るとオス本来の特徴を有する場合が多いようです。例えばマガモの場合、地味な色合いのメスと比べ、オスは頭部がグリーンで非常に識別しやすい種であると思います。しかしながら、性差の特徴はそれだけではありません。どうぞ図鑑をお持ちいただき、くちばしに注目してみて下さい。オスとメスではくちばしの色や模様が異なることがお分かり頂けましたでしょうか? では、オナガガモは? コガモは?…。いかがでしょうか? 換羽は読んで字のごとく羽が生え替わることであり、カモの場合には、くちばしの特徴は換羽時にも残るようです。(幼鳥が成鳥羽に変わる際の換羽時にどうなっているのかはわかりません)
カモや水鳥はどうも…と敬遠される方も多いようですが、換羽をポイントに皆さんがお住まいの地域へ飛来した当初、羽が変わる途中の時期、羽が完全に変わった時期などを意識して観察すれば、どのタイミングで換羽が行われるかを知ることができます。またそうした段階の写真を撮影して整理すれば、それは立派な資料としての価値がでると思います。

〈ハイブリッド〉
さて先ほど、「図鑑に載っていない個体は換羽途中にある個体である場合が多いようです」と記しましたが、鋭い方は、「そうでない場合は????」 とお考えのことかと思います。最近はあまり聞きませんが、以前"イノブタ"という動物が注目されたことがあります。これは"イノシシ"と"ブタ"を掛け合わせた、いわゆる品種改良によって生まれた交雑育種でありますが、カモの場合には野生の個体同士で交雑種が誕生することがあります。こうした個体は一般にハイブリッド(hybrid)と呼ばれ、私自身もオナガガモとトモエガモ、メジロガモとホシハジロ?などのハイブリッドを観察したことがありますが、いずれも外見上で複数の種の特徴が確認されました。オナガガモとトモエガモのハイブリッドは一見するとトモエガモの特徴が目立ちましたが、よく見ると尾はやや長く、くちばしの形や模様はオナガガモの特徴であったように記憶してます。こうした個体を見つけたら、「な〜んだ交雑種か…」と言わないでくださいね。海外にはハイブリッドのカモだけを集めた図鑑もあるように、ハイブリッドも貴重な情報です。どんな種同士が交雑するのかを集めた図鑑が日本にあってもよいと思いますし、そうした情報もお寄せ下されば、Hobby's Worldのホームページなどでも紹介させていただこうかと思います。

〈次回はカモメの識別を…〉
朝晩の冷え込みも身に凍みるようになり、そろそろカモメの時期となります。タカやシギチ(シギ・チドリ類の略です)と共に、バードウォッチングを始めて間もない方には識別の難しい仲間かと思います。しかしながら、識別のポイントを押さえて観察に臨めば、基本種の成鳥の識別くらいはできるようになります。関東では千葉県の銚子漁港がカモメの観察地として有名ですが、当地ではシロカモメ、ワシカモメ、オオセグロカモメ、セグロカモメ、ウミネコ、カモメ、ミツユビカモメ、ユリカモメの8種が基本種と呼ばれてます。運が良ければカナダカモメやアイスランドカモメなども観察されるかもしれませんが、いずれにしても、よく観察される基本種を覚えておく必要があります。
次回はカモメの基本的な識別にチャレンジしてみようと思いますので、ご興味のある方は『カモメ識別ハンドブック』氏原巨雄・氏原道明著(文一総合出版)をご用意下さい。
また、Hobby's Worldでは12月18日に銚子の日帰りバスツアーも予定しております。事前の勉強会も店内で行う予定です。詳しくは下記ページをご覧下さい。
     ┗ http://www.hobbysworld.com/seminer/koushuukai.htm

〈速報〉
この夏、Hobby's Worldから徒歩2分の高層ビルでヒメアマツバメの繁殖が確認され、研究者をも驚かせました。これまでに都心部での繁殖記録はなく、非常に興味深い記録であることは間違いありません。別の機会に詳細をお知らせしようと思います。

Hobby's World
吉成 才丈