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第7回 この冬は、カモやカモメにチャレンジしましょう その2
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(カモメは楽しく覚えましょう〉
「私にはカモメの識別は無理…」と諦めている方も多いようですが、カモメは誰もが識別に苦労する難しいグループですから、まずは気楽にいきましょう。別に気休めを言っているわけではありません。カモメの場合、こまかな識別点を覚えるより"見慣れること"が識別の第1歩だと思って下さい。
関東では千葉県の銚子漁港がカモメの観察スポットとして有名ですが、ここではカモメの"基本種8種"なる呼び方がされております。つまり銚子では、見られる可能性の高い種が8種(シロカモメ、ワシカモメ、オオセグロカモメ、セグロカモメ、ウミネコ、カモメ、ユリカモメ、ミツユビカモメ)あるということなのですが、この8種を例にとって話を進めていきましょう。まずはサイズごとに分類してみます。
〈サイズによる区分〉
・大型カモメ類
シロカモメ、ワシカモメ、オオセグロカモメ、セグロカモメの4種が該当します。これら4種の特徴は、1.体型ががっしりしている、2.成鳥では嘴が黄色く、下嘴の先端近くに赤い班がある、3.成鳥では尾羽は白い、4.足はピンクや赤の個体が多い、5.成鳥の羽になるまで4年かかる…などのポイントが挙げられます。
・中型カモメ類
ウミネコ、カモメの2種が該当します。これら2種の特徴は、1.大型カモメに比べると体型がややスマート、2.成鳥では嘴のベースが黄色、3.幼鳥の足はピンクで、成鳥では足の色が黄色に近い、4.成鳥の羽になるまで3〜4年かかる…などのポイントが挙げられます。
・小型カモメ類
ユリカモメ、ミツユビカモメの2種が該当します。これら2種の特徴は、1.大型カモメに比べるとかなり体型がスマート、2.中型カモメに比べるとやや体型がスマート、3.成鳥の羽になるまで2年かかる…などのポイントが挙げられます。
〈見慣れるということ〉
ここでお気づきの方がいるかもしれません。そう、中型カモメは大型カモメを、また小型カモメは大型や中型カモメを単にサイズダウンしたものではなく、それぞれの体型自体にも特徴があるのです。これはトウゾクカモメの仲間などでも同様で、一番大きなオオトウゾクカモメは全体的にがっしりした体型ですが、トウゾクカモメ、クロトウゾクカモメ、シロハラトウゾクカモメとサイズが小さくなるに連れて体型は次第にスリムになり、シロハラトウゾクカモメに至ってはアジサシ類のような体型になります。またこうした特徴は、静止時よりも飛翔時に顕著に表れるように思います。
つまり"見慣れること"="全体のプロポーション(体型)を感覚的に覚えること"が識別の第1歩として有効であり、実は、誰もが日常的に無意識におこなっている行為なのです。
ご自分の身近な方やよく知っている方は遠くからでも分かるはずです。お目当ての方が何人かのグループの中にいれば、知らず知らずのうちに周りの人と比較(識別)しているはずです。こうした行為を鳥に応用し、こまかな部分を見なくても種が分かる(少なくてもどのグループに属するか絞れる)ようになれば、鳥を覚えるスピードが加速します。
色や模様ではなく、まずはプロポーションを覚えるという手法は、タカ類などの場合にも共通したものです。タカ類は飛んでいるところを観察することが多いグループですが、いつも近距離で順光といった好条件に恵まれるとは限らず、どちらかといえば色や模様では判断できないケースの方が多いと思います。つまりベテランは、タカの識別を羽の色や模様だけで行うのではなく、むしろ体型や飛び方などを見て判断しますので、遠くの小さな点にしか見えない場合でも種を識別することができるのです。
〈図鑑選びも重要です〉
まずは図鑑を用意しなくてはなりませんが、以前にもお話ししたとおり、似たような同じ仲間同士を比較しやすいのは絵の図鑑です。絵の図鑑の特徴の1つとして、似たような種が同じ縮尺で、同じ方向を向いて描かれている点が挙げられます。見開きのページに静止時や飛翔時の姿が多数並んでいる図が差し込まれた図鑑もありますが、体型だけでなく大きさの比較もできるため、初心者には非常に役に立ちます。絵の図鑑もいろいろありますが、難しい種の識別となると入門用の図鑑では情報量が足りません。比較のしやすさをご自分で見比べ、「鳥630図鑑」(鳥類保護連盟)か「フィールドガイド 日本の野鳥」(日本野鳥の会)のどちらかは入手して頂きたいと思います。もちろんカモメに関しては、「カモメ識別ハンドブック」(文一総合出版)が情報量も多くて使いやすいですし、数ある写真図鑑も参考になります。「せっかく見たのに図鑑の情報量が少なくてよく分からない…」と悔しい思いをしないため、必要な図鑑は早めにお揃えください。
〈体型を比較してみましょう〉
ではここで、特徴的な体型をいくつかクローズアップしてみましょう。
図鑑(できればカモメの仲間が並んでいるページ)で基本種8種を見比べてみて下さい。大きさではなく体型同士で比較し、まずは1羽だけとくに足の短く見える種を見つけて下さい。思ったより簡単に見つかったのではないでしょうか?
切り立った岩棚で繁殖し、主に外洋で生活するミツユビカモメに長い足は不要なのかもしれませんね。このミツユビカモメをよく見てみると、頭が丸くて嘴の形も特徴があり、他のカモメに比べるとやや立ち姿勢で立っているようにも見えます。
では次に、全体的に嘴の細く見える種を探して下さい。図鑑の絵はカモメを横から見た図ですから、正確には嘴の高さしかわからないと思いますが、ユリカモメの嘴はかなり細く見えます。足の太さと比較しても嘴は目立って細いように見え、角度によっては同じくらいの太さに見えることもあります。
同じように、今度はカモメやウミネコの体型もチェックしてみて下さい。これら2種は成鳥での識別は容易ですが、幼鳥や若鳥はよく似ています。しかしながら、ウミネコの嘴はカモメよりも長くがっしりしており、頭部だけみるとカモメの方がかわいらしい印象を受けます。
これらの小型カモメ類や中型カモメ類に比べ、大型カモメ類は体型にそれほど違いがありません。というよりも、種ごとの特徴はあるのですが、個体差も大きいので一概に比較できない場合も多くあるといった方が正しいかもしれません。というわけで、次回は残された大型カモメ4種を色や模様で順に検証していきたいと思います。
Hobby's World
吉成 才丈
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