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第11回 梅雨はインドア バーディング
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〈テレビでバーディング〉
「I wish I were a bird」鳥であればいいのだが…
某英会話スクールのCMに登場する生徒さんの台詞にも引用される有名な言葉ですが、こうした些細なものも含めて、テレビに鳥が登場しない日はありません。6月は多くの地域が梅雨真っ最中という事情もあり、休日であっても鳥見に出かけられないことも多いでしょう。ならば、家の中でも楽しんでしまおうではありませんか。CG技術の発達により、画面に登場する鳥も実在のものでない場合も多々ありますが、「えっ、こんなおもしろい鳥もいるの?」といった特徴的な鳥に出会えることもあるはずです。
〈最近のCMと鳥〉
最近の鳥が登場するCMの代表的なものは、カラスが登場する某高級自動車のCMでしょうか? カラスは頭の良いことで知られてますが、貝やクルミを上空から舗装路に落としたり、通り過ぎる車に轢かせて殻を割って中身をたべるといった行動は有名で、実際にそうした光景を目撃した方もいらっしゃることと思います。
このCMでも自動車にクルミを轢かせようとする行動が描かれてますが、この自動車は軽快なフットワークでクルミを避けて通過していきます。自動車の操作性をアピールするためにカラスの習性を利用するとは、もしや鳥屋(※)が関わっているのでしょうか?
また自動車メーカーN社のCMには白い鳥がでてきますが、これは自由にはばたくイメージとしてアニメーションで登場します。一方、同業のT社のCMには有名なサッカー選手を起用したものがあり、こちらには黒っぽい鳥が一瞬だけ登場します。これは実写のようですが、カラスか猛禽類が反転する様子が一瞬映し出されており、力強さを感じさせる映像でした。こうしたCMのように、登場する鳥がその商品のイメージづくりに一役買うといった内容のものは多数あるようです。ある消費者金融のCMには白いアヒルが登場しますが、これもほのぼの感や安心感を与えるのに効果的なのかな…と思ったりして見てます。
さらに、リチャード・ギアが登場するCMで、インドを舞台にしたものがあります。「鳥を放して自由にすると幸運が訪れる」という言い伝えを信じ、ある少女が市場で鳥を5羽買おうとします。しかし少女が持っているお金では1羽しか買えず、それを見ていたリチャード・ギアがCMスポンサーのカードでどさっり買って一緒に放す…といった内容ですが、最近のCMなので記憶にある方も多いことでしょう。「あんな市場でカードが使える分けないじゃん」などといった批判もあるようですが、その土地の文化を知るきっかけになるCMかなとも思います。
(※)鳥屋とは鳥を売っている店ではなく、バードウォッチャーのことを指します。生き物に関わる人たちは自分の専門分野に屋をつけ、自分たちを○○屋と呼び合います。昆虫をやる人は"虫屋"、ほ乳類をやる人は"ほ乳屋"、植物をやる人は"植物屋"など。もしや、"でじすこや"さんも単なる屋号の意味だけでなく、スタッフの皆さんが自分たちのことを"でじすこや"と呼びあっているのかしら?
〈ドラマの効果音と鳥〉
CMだけでなく、ドラマや映画の背景には、効果音として鳥の声が流れることがよくあります。最近は割と注意して使用しているようですが、以前は「えっ、こんな環境でこの時期にこんな鳥がいるの…?」と首を傾げるようなシーンも何度となく目撃しました。一番ひどかったのは30年ほど前の青春ドラマで、たしか舞台は多摩川中流だったと思います。季節は葉の落ちた冬、しかしその背景で鳴いていたのは、なんとアカショウビンだったのです。「キョロロロ…」といったさえずりを冬のシーンで聞かされ、寒々しく感じたのを思い出します。きっと、もの悲しさや憂鬱さ、思い通りにならない青春の1シーンを表現するのに選んだのでしょうが、鳥の声にもTPOがありますよね。
一方、これはマッチしてるなと感じたのは白土三平のアニメ「サスケ」です。こちらも古い作品で、子供の頃の断片的な記憶しかないのですが、オバQなどのアニメと異なり、妙にリアリティがあり哀愁も感じる内容だったと思います。そしてその背景に流れていたのが、「キチキチキチ…ジャッ、ジャッ」と鳴くモズの声でした。今考えればいろいろな季節の話で構成されていたのでしょうか、「サスケ」の画面や話の構成の背景に流れる声としては、マッチしてたなと感じてました。時代背景は豊臣から徳川への変遷期、こうした時代にも、モズは今と同じような環境で同様の生活をしていたのでしょうか?
〈カラオケと鳥〉
ここまでくると病的(?)とも思いますが、実際の話で経験した方も少なくないはずです。
鳥見を続けていると自然と鳥仲間が増えてきますが、そのうち一緒に鳥見するだけでなく、忘年会などの集まりを行うようにもなります。平日に会う鳥仲間は、「えっ、これがあの○○さん?」とびっくりするほどスーツ姿がばっちり決まっていたりします。しかし、会食が始まればいつもの気の置けない仲間に早変わりし、二次会のカラオケでは恒例の騒ぎが始まります。私の周辺には団塊の世代やそれよりも少し上の方々が多いのですが、歌う曲は演歌や昭和歌謡だったりします。曲目自体には問題はないのですが、問題は歌詞が出てくるモニターの背景です。どうした訳か、こうした歌の背景には海が登場します。それも北の冬の海とあっては、鳥が出てこないわけがありません。すると、歌っている人がいるにも関わらず「あっネコ(ウミネコ)だ」「セグロ(セグロカモメ)だ」「いいやユリ(ユリカモメ)だ、ミツユビ(ミツユビカモメ)だ」などと大騒ぎが始まります。カモメの仲間だけならいいのですが、時にはミズナギドリやカモの仲間なども登場しますので、皆さん歌を聴くより画面を食い入るように見つめていたりします。どうです、みなさんも一度参加してみませんか?
〈読書でバーディング〉
テレビより読書という方には、生態を楽しく勉強できる下記の書籍をお薦めします。"雑学"と銘打つタイトルが目立ちますが、ここまで情報が集まると、もはや雑学のレベルは超えていると思います。またこうした生態がわかると鳥や図鑑の見方も変わってくるはずですから、まずは1冊お手にとってみてはいかがでしょうか?
「〈おもしろくてためになる〉鳥の雑学事典」山階鳥類研究所著/日本実業出版社
「聴いて楽しむ野鳥100声 野鳥おもしろ雑学事典」山岸哲/インプレス
「鳥の雑学がよ〜くわかる本」柴田佳秀著/秀和システム
「鳥のおもしろ私生活」ピッキオ編・著/主婦と生活社
「野鳥の生活」羽田健三監修/築地書館 |
Hobby's World
吉成 才丈
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