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第18回 危険回避
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数あるフィールド経験のなかには、命の危険を感じたことが何回かあります。
バードウォッチングが終わって帰路、運転されていた方が居眠りをしてしまい反対車線を越え、ガードレールをこすったことがあります。このとき、対向車がうまくこちらを避けてくれたので大事にはいたりませんでした。
私自身、雪の坂道でスリップし、あと1m余裕があれば止まれたのでしょうが、正面衝突でした。こちらは、4駆だったのでまったく損傷はなかったのですが、相手の車のナンバープレートが落ちました。このときは、雪が降り始めたので、雪が笹に落ちる音を録ろうと、急いでいたことも事故の原因のひとつです。
10人ほどで山道を歩いているときに、私の前を歩いていたリーダー格の人が、くっると振り向くと「クマだー!」と叫んで、駈けだしたことがあります。私は、一瞬クマを見たいと思ったのですが、いっしょに走りました。あとで、クマのいたところに行ってみますと、しっかりと足跡がついていました。ちょうど山道がカーブになったところで、出会い頭の遭遇となり、もっとも危険なクマとの出会いでした。
録音には指向性の強いマイクを使います。夜明け前、車はこないものと思って録音していると、マイクに急に車の音。マイクは別の方向に向けていましたら、車はすぐそばまで迫っていました。運転している人も、こんな朝早くから道の真ん中に人がいるとは思わず、スピードを出していたのですから危いところでした。
冬、雪の吹きすさぶなかでイヌワシを観察していたことがあります。吹雪のなか、小1時間ほど、風にさらされていました。おかげで、雪の中を飛ぶイヌワシの勇壮な姿を見ることができたのです。しかし、この日の午後、猛烈な眠気に襲われました。宿に帰るとバタンキューという感じで寝てしまいました。寒さの中、風に吹かれることで体温が奪われ、体力が消耗してしまったのでしょう。冬山で遭難する理由がわかったような気がしました。
このほか、沖の干潟で調査中、潮が満ちてきてしまい、腰まで浸かって、危うく船にたどり着いたこともあります。
こうやって書くと、いろいろな思い出が蘇ってきますが、よく大きな事故にも遭わず、無事にバードウォッチングを楽しんでこられてたことと思います。私は、単に運がよかっただけかもしれません。しかし、これからも無事に野鳥たちとの出会いを楽しみために、危険回避の項目を上げておきますので、皆さんも参考にしていただければ幸いです。
・野鳥を追って立ち入り禁止のなかに入ったり、危険な場所に入らない。
・天候の変化は命に関わることもある。気象情報をたえず入手して、天候による危険を回避する。
・地図、飲み水、食料、装備(とくに足ごしらえ)など、環境や季節に合った準備をして自然にのぞむこと。
・体調不良や疲労に関わらず、無理なスケジュールをこなすことのないようにしよう。
・自動車は絶えず安全運転に心がけ、運転中に野鳥に目を奪われないように。
・スケジュールはたえず余裕を持って計画し、実施しよう。
・クマなどの野生動物との接触をさけるために、知識と情報を得よう。
・自然のなかにおける危険を理解し、知識を得るように努力しよう。
・スケジュールの予定を近親者に連絡をしておこう。
・必要によっては保険に入っておこう。
・自然のなかには、自然であるが故の危険がある。危険回避のために緊張感を持ち続けよう。
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