≪野鳥観察情報≫
   鳥観察・探鳥の極意
 ======== by 吉成 才丈さん

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  第24回 今冬のお薦め洋書
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〈日本に関係する新刊・洋書〉
最近は、海外へ探鳥に出かけることも珍しくなくなりました。当然のことながら、訪れる国や地域の図鑑が必要になりますが、調べてみると、世界各国の英語版の図鑑がたくさんあることに驚かれるかもしれません。しかし逆の立場でみると、英語版の日本の図鑑がないことに気付きます。かつて、『A field guide to the bird of Japan』((財)日本野鳥の会)というハンディな英語版の図鑑がありましたが、発行からすでに20年以上が経過しており、今や幻の図鑑として、インターネットでは高値で取り引きされています。なかには5万円以上の値を付けていたものもあり、需要に対して、それに応える図鑑がないことが示された現象と考えられます。
しかし最近、その値段が下がったように思います。そうです、日本に関係する英語版の図鑑が相次いで発行されたのです。洋書を読み解くには慣れが必要ですが、それが自国の図鑑であれば、解説も分かりやすいはずです。また、日本における珍鳥を調べる際には隣接する地域の図鑑を見ることになりますが、今回ご紹介する図鑑は日本や日本周辺をも網羅した図鑑ですので、お持ちになっていれば、いつか役立つ日が来ることでしょう。

A Photographic guide to the BIRDS OF JAPAN AND NORTH-EAST ASIA
榛葉忠雄著 Helm発行 504ページ
タイトルの通り、日本を中心とした北東アジア地域に生息する約600種の野鳥が、800枚の写真で紹介されています。各種についての解説は、後述の『Birds of Europe,Russia,China,and Japan』とは若干異なり、類似種との比較や日本国内における分布状況(生息地や生息環境、生息時期)などの情報も取り入れ、北東アジア地域をベースにした分布図も各種の欄に添えられています。日本だけでなく周辺の情報も含まれていることから、日本を旅する外国のバーダーのみならず、我々日本人にとっても必携の1冊となりそうです。

Birds of Europe,Russia,China,and Japan(Passerines: Tyrant Flycatchers to Buntings)
NORMAN ARLOTT著・絵 Princeton University Press発行 240ページ
当書は、ヨーロッパからロシア、中国、日本などの旧北区に準じる地域に生息するスズメ目の種を取りあげた絵の図鑑です。80ページのカラープレートには789種が描かれており、特徴的な亜種についても取りあげられているものがあります。巻末にはインデックスのほかに、707種についての分布図も掲載されています。解説は1種につき数行ですが、生息環境や体の特徴、行動、声(囀りや地鳴き)などが簡単に解説されています。かなりの地域を網羅した割には、野鳥の会の「フィールドガイド」と同じコンパクトサイズ(厚さはさらに半分程度)であることを考えると、フィールドでの活躍の場面もかなり多そうです。各種の細かな解説は他の図鑑に譲るとして、この地域にはどんな種が生息しているのかを知るにも絶好の図鑑だと思います。

さらに来春には、日本でもお馴染みのMark Brazil氏による『Birds of East Asia(China,Taiwan,Korea,Japan,Russia)』の発売も予定されており、図鑑や書籍的には、極東地域は注目のエリアのようです。
また日本鳥学会から、『鳥類学用語集』という書籍が発行されているのをご存じでしょうか。この用語集には鳥類学に関わる専門用語が、英和・和英とも各6,000語以上収録されており、論文執筆や翻訳にとても便利です。研究者向けの専門用語集として活用されますが、英語と日本語を対比させた構成は、一般のバーダーが図鑑を読み解く際にも役に立つはずです。

〈Watch Your Step・冬の装備は足元から〉
この冬は、ハクガンの飛来数が多いようですね。北海道で確認されていた25羽は日本海側に南下するか、伊豆沼に飛来するか注目されてましたが、結局は日本海側に移動したようです。厳冬期には、わざわざ寒いところを選んで探鳥に出かける方も多いことでしょう。日本には稀にしか飛来しないカモメやカモを求めて北海道に出かけたり、オオマシコやイスカなどの赤い鳥を求めて積雪のある山を歩くのも楽しいものです。
しかし厳しい自然の中で、安全・快適に鳥見を楽しむには、それなりの準備が必要になります。なかでも、忘れがちなのが足元の装備です。
報じられる気温は地表の温度ではないため、気温は0度より高くても路面は凍ります。北海道の一部では路面の温度を表示している道路がありますが、これは路面凍結の危険性をドライバーに知らせるためです。車を運転する方は充分に気を付けなくてはなりませんが、運転されない方も、簡単に靴に着脱できる滑り止めを用意されることをお薦めいたします。できれば、足の裏を覆うようなタイプのものの方が安心です。伸縮性のあるゴム製の滑り止めは爪先と踵で固定しますが、着脱も簡単でずれにくい構造となっています。凍結路面では、私自身が何度も怖い目に遭っているだけでなく、実際に転倒して怪我をしたり、高価な機材を破損させたりしている方も少なくないようです。また、訪問先が大都市だからといっても油断は大敵です。大都市のターミナル駅や空港を出た途端に路面が凍結している…といったことも少なくありません。
楽しい鳥見のために、「転ばぬ先の滑り止め」を、どうぞお忘れなく!


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吉成 才丈