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第18回 痕跡
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原生林内を歩くと、いろいろな動物の痕跡に出会うことができる。その中には、シカのものやヒグマのものなど、彼らの生活を知る手がかりになるものもたくさんだ。今回は、アカエゾマツに残された痕を見つけた。おそらく、ヒグマが体をこすった痕と考えられるものだった。ヒグマは、自分の自己主張のために、樹に痕をつけることがあると言われるが、これは様子が違うものだった。樹皮が剥がされた場所をよく観察すると、松脂の中にゴマのようにたくさんの黒い粒とヒグマの黒い毛や体に付着していた。黒い粒の正体はマダニだ。マダニは、動物の血液を吸って生きているダニの一種で、ヒグマにはたくさんのマダニが付着していたようだ。その部分がむずがゆかったのか、樹にゴリゴリと体を擦ったと考えられる。樹皮がこれほどまでに剥がれているのを考えると、体をこすったとはいえ相当な力だったに違いない。
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| ヒグマの背こすり |
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| 松脂に付着したヒグマの毛とマダニ |
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知床ネイチャーオフィス
自然解説員 藤川友敬 |