≪野鳥観察情報≫
   バードウォッチングのミカタ
 ======== by 松田 道生さん

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  第63回 罪悪感は、あるんですね
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Googleで「野鳥カメラマン」を検索しようとすると、関連ワードに「迷惑」つぎに「マナー」が自動的に表示されます。それだけ、野鳥カメラマンを検索している人は、迷惑してマナーが気になっていることになります。

検索結果は「野鳥カメラマン 迷惑」で29,800件もあります。当コラムが、検索結果の上位に上がっているのはちょっとうれしいのですが、Yahoo!知恵袋で「カメラマンさん迷惑です」と題し、家の前に野鳥カメラマンが集まって困っている、どうしたら良いかの質問は悲しいです。そして、いろいろな迷惑カメラマンに遭遇した話がブログや掲示板でたくさん報告され、新聞記事まで出てきます。

迷惑行為は、珍鳥に集まる、巣の前に長時間、鳴き声を流していた、木の枝を切った、そして餌付けしていたなどなど。人に迷惑と野鳥に迷惑に大きく分けられますが、取り上げられている話題は野鳥に対する迷惑の方が多い傾向にあります。基本、大好きな野鳥が減ってしまうような行為はバツだと思っています。写真を撮る人にとって、被写体がいなくなってしまったら困ると思うのですが、そこまで頭が回らないのかとも思ってしまいます。

野鳥カメラマンの多くは、デジタルカメラの普及と定年をむかえた団塊の世代が増えたことが大きく影響していると思います。そのため、鳥歴は長くて10年、多くが数年の経験者でしょう。善意に考えれば、知識がないゆえの間違いであり、善悪の判断ができず行っていると、ちょっとは弁護をできます。悪いと思っていないのですから、野鳥に迷惑をかけて撮影したことを解らず自慢話がアップされていても良いと思います。しかし、これが不思議なくらい少ないのです。

たとえば、私はコマドリを見たのは、5回あるかないかです。鳥歴にしたら10年に1回です。毎年、コマドリのいるところに行って録音しているのにかかわらずです。それなのに、たくさんのコマドリの写真がネット上にはあふれています。もちろん、運が良くてシャッターチャンスに恵まれた方、生息密度の高いフィールドをご存知の方ならばがんばって撮れると思います。ただ写真のなかには、餌付けされコケが置かれた舞台で撮られた写真、あるいは鳴き声に反応して激怒し出てきた写真が散見します。コメントに「声を流してゲット」とか「餌をあげたのでお礼に撮らせてくれた」くらいがあっても良いようなものなのですが、まずこのような書き込みはありません。

経験がないのですから、善悪の区別がつかず不用意に書いている人がいても良いと思うのですが、検索された上位にはありませんでした。ということは、悪いことだと思っているのではないでしょうか。少なくとも、野鳥に対する迷惑行為をしている自覚があり、ブログに書いて自慢するようなことではないと、わきまえているのではと思います。要するに、悪いことだけど解ってやっていることになり、これはこれで問題だと思います。

だいたい、迷惑行為をしている人に注意をすると「他の人もやっているから」や「私一人くらいやっても」などという弁解がかえってきます。あるいは、逆ギレすることでしょう。悪いことと知っているからこその自己弁護であり、反発となります。

自然のなかで懸命に生きていく野鳥たち、その鳥たちの生き様をみれば誠実にありたいと思うのが当たり前のこと。悪いと思ったら止めましょうよ。