デジタル一眼レフカメラ(以下デジ一眼)を使用したデジスコ(以下デジ一眼スコ)が注目を集めているが、今回コリメート法によるデジ一眼・デジスコをテストし、面白い結果を得たのでレポートにまとめてみた。
また、コンパクトデジタルカメラ(以下コンデジ)を用いた通常のデジスコ(以下デジスコ)との比較の中で、デジ一眼スコのメリット、デメリットについても考察してみた。
テストにあたっては出来るだけ公平で再現可能な方法で実験したつもりであるが、撮影技術の未熟な部分とテスト項目の不足についてはご容赦頂きたい。
 
◎使用機材
 
■デジスコ
   
デジスコシステム(イメージ画像)
 
デジスコの機材
[スコープ]
KOWA TSN-774 PROMINAR
[アイピース]
KOWA TE-17WD
[デジタルカメラ]
(株)デジスコドットコム社のターボアダプターを使用
[アダプター類]
GITZO G1228 G1349
[三脚]
GITZO G1228 G1349
[雲台]
GITZO G2180 DIGISCO.COM 究具01
 
■デジ一眼スコ
デジ一眼デジスコの機材
ビデオ用接眼レンズをつけたところ
デジ一眼デジスコ1
[スコープ]
KOWA TSN-774 PROMINAR
[アイピース]
KOWA TSN-VA2
TSN-VA2はビデオ用接眼レンズ
[カメラレンズ]
CANON EF-S60mmF2.8
[デジタルカメラ]
CANON EOS40D
[アダプター類]
KOWA TSN-VA2−CR
TSN-774をTSN-VA2に繋ぐためのリング
KOWA TSN-AR-52
TSN-VA2をEF-S60mmF2.8に繋ぐための変換リング
[三脚]
GITZO G1228 G1349
[雲台]
GITZO G2180 DIGISCO.COM 究具01

デジ一眼デジスコ2
[スコープ]
KOWA TSN-664
[アイピース]
KOWA TSN-VA2
TSN-VA2はビデオ用接眼レンズ
[カメラレンズ]
CANON EF-S60mmF2.8
[デジタルカメラ]
CANON EOS40D
[アダプター類]
KOWA TSN-AR-52
TSN-VA2をEF-S60mmF2.8に繋ぐための変換リング
[三脚]
GITZO G1228 G1349
[雲台]
GITZO G2180 DIGISCO.COM 究具01
 
 
◎テストをした項目
 
  T)デジスコとの画質の差を調べる  
 
    1)20m、50mの距離で撮影した画像の比較(SS,絞りも出来るだけ同一条件で)
 
 
    2)実際の鳥の撮影での比較(動きの早くない水鳥で比較)
 
     
  U)ミラーショックの影響を調べる  
 
    1)ライブビューと通常撮影との画質比較
 
 
    2)デジスコとのブレの比較
 
 
    3)シャター速度の画質に及ぼす影響の比較
 
     
  V)飛び物の撮影の様(予備テストにおいて被写界深度が深く、ファインダーでのピント合わせが易しいと感じられた為)  
 
    1)飛び物のテスト撮影の状況
 
 
1)20m、50mの距離で撮影した画像の比較
 
■20mでの撮影画像比較
 
≪曇り・風強し≫
(1)デジスコ
 
(2)デジ一眼デジスコ
 
≪晴天・無風≫
(3)デジスコ
 
(4)デジ一眼デジスコ
 
  ※参考 室内での撮影画像比較
 
 
(5)デジスコ
 
(6)デジ一眼デジスコ
 
(7)撮影前
 
(8)撮影後
■50mでの撮影画像比較
 
≪曇り・風強し≫
(9)デジスコ
 
(10)デジ一眼デジスコ
デジ一眼スコでの撮影画像は明らかにミラーショック(シャッターリセットの振動含む)の影響がみられる。
撮影中もシャッターを切ると同時に、画像がブレる(約1秒)様子が液晶画面で確認出来た(三脚、雲台の力量不足もあると思う)が、ライブビュー時の画像(7)と撮影後の液晶画像(8)でもミラーショックによりブレていることがわかる。
(1)と(2)、(3)と(4)、(5)と(6)の比較では、いずれもコンデジ使用のデジスコの方が解像度が高いことがわかる。
風の影響はデジ一眼スコの方が大きく、風の止むまで撮影が出来ない状況が多々あり、撮影を中止した日があった。
また被写界深度の深さに両者に差があることが確認出来た。
 
 
2)実際の鳥の撮影での比較
 
写真(11)〜(18)までの奇数番がデジスコでの撮影、偶数番がデジ一眼スコでの画像である。出来るだけ大きさが等しくなるようデジスコで大きさを合わせて撮影した。

 
≪デジスコでの撮影≫
    ≪デジ一眼デジスコでの撮影≫
(11)
(13)
(15)
(17)
   
(12)
(14)
(16)
(18)
何れもデジスコの方が解像度が高く、被写界深度の浅い画像として面白い画像が撮影出来た。
デジ一眼スコではカメラのシャッター速度を上げて、スコープのピント合わせをする手でスコープの動きを規制しながら、手持ちでシャッターを押す方が画像の成功の歩留まり良いことに気が付いた(当然手持ちによるブレはあるのだが、ミラーショックの方が画質に影響が大きいらしい)
この事はデジ一眼スコの被写界深度の深さと相まって、飛び物撮影に有利な事と思われた。
 
■ライブビューとの比較
 
ライブビューでのデジ一眼デジスコ
 
通常撮影のデジ一眼デジスコ
■デジスコとの比較
 
≪デジスコでの撮影≫
    ≪デジ一眼デジスコでの撮影≫
(11)
(13)
(15)
(17)
   
(12)
(14)
(16)
(18)
ライブビュー撮影と通常撮影の撮影画像比較を行ったが、いずれも画像は僅かにブレており、またブレの程度や画質に両者間での有意差はみられなかった。
これはショックの大きさは通常撮影の方が大きいと思われたため意外な結果と感じられた。
何れも最初の画像が画質には有利だと思われたのだが、振動の影響は1枚目からはっきりしており、特に一枚目が有利との結果は得られなかった。
デジ一眼スコでは振動の影響は各画像に表れており、また画像間のブレのバラツキも感じられ、デジスコの均一な画像とのあいだに差が見られた。

ライブビューは露出にムラがあり、異常に暗い画像になったり明るくなったりする事があると思われた。
ライブビューでの5倍、10倍拡大画像によるピント合わせは、ピント合わせの祭に画像がゆれる事もあり難しいと感じたが、正確なピント合わせが
可能なため利用価値があると感じた。

結果、ライブビュー撮影のメリットは感じられず、目標補足の易しさやピント合わせも容易なファインダーによる通常撮影の方がお勧めであると感じた。
またライブビュー撮影時は液晶、ファインダー共に画像が消失するので、鳥がいなくなっても気が付かない・・等の笑えないデメリットもある。
 
■実際の撮影画像の様子
 
 
     
 
     
 
     
 
     
 
     
 
     
 
     
 
デジスコとの比較においても圧倒的にデジ一眼スコに分があると感じた。
デジスコでは難しい飛び物も、ファインダーでのピント合わせが易しい、被写体の補足が易しい、被写界深度が深くピント合わせが易しい等の特徴を持つデジ一眼スコでは、ロクヨン、ゴーヨンをマニュアルフォーカスで撮影する感覚で(?)の撮影が可能となる。AFは使えないものの(明るいレンズでは可能か?)画像はデジスコでの撮影を凌駕する画質を得ることは難しくはない。
近距離ではデジ一眼の望遠レンズ使用と比較すると、甘い画像となることは致し方無いことであると思う。
 
デジタル一眼レフ使用のデジスコの話題が高まる中、今日までデジ一眼スコの可能性についての検討を行ってきたところであったが、正直なところデジ一眼を利用するメリットはまったく感じられていなかった。重い、風に弱い、ミラーショックがある・・・などのデメリットの中で、唯一デジタル一眼レフカメラの性能の高さ故に画質面での期待が捨てきれずにテストをしてきたところであるが、残念ながら画質の面でも期待を裏切る結果しか残してこなかった。
しかしながら、被写界深度が深く、ファインダーでのピント合わせや目標補足の容易さといった特徴から、今回は飛び物には最適と思いテスト撮影を行った結果、予想通り極めて易しく飛び物の撮影が行えた。
画像はミラーショックによるブレ(と信じたいが・・)があるものの、400mm、500mmでは豆粒ほどの遠方の被写体でも撮影可能になるなど、デジスコに比べて大きなアドバンテージがあることを発見し、デジ一眼スコの可能性を再発見した結果となった。
被写界深度の深さはビデオ接眼TSN-VA2使用のメリットであるとも考えられ、TSN-VA2+コンパクトデジカメも考えられるが、連写速度の速さやISO感度を上げてもノイズが少なくシャッター速度を上げられること等から、ここはデジ一眼利用の方が有利であると考えられる。

レポートを作成するにあたり、撮影技術の未熟さからの画像の質の悪さはご勘弁頂きたい。
撮影技術の確かな有志の方々の追試を期待しながら私のレポートとしたい。
2007年12月06日 ユンソナ